第二話「それぞれの思惑」

クルドにとっては予定外の出来事だった。ザックはすんなり自分たちの計画どうりに動くはずだった。

「レイブン、社長と我々の安全が最優先だっ!!」

「まずは安全圏まで護衛してくれっ!!やつは後でいい」

「AI三機をまわせ!!絶対に逃がすな!!」

「さぁ、社長はやくヘリに」

(ザックを使わんと計画が・・・)

「バンプ、レジーナやつを殺すなよ・・・殺したらクビだっ」

クルドはまだ戦闘プログラムが十分じゃないAI三機程度じゃ、ベテラン・・・までは行かなくてもそれなりの実力があるザックは倒せないとふんでいた。

「え〜〜〜〜〜!!」

「了解!これより護衛任務につきます」

「・・・・」

ザックにとっては予定どおりだった。まずACに乗ってしまえば、バンプとレジーナは護衛にまわされるだろうと考えていた。
案の定AI三機が三方向からつっこんでくる。だが、速さがバラバラで全く連携という物が見られなかった。

「いけるっ!!」

まずは、軽量二脚で三機の中で最速の「瞬」がOBを展開し斬りかかってくる。―直進―
まっすぐで素直な動き・・・横に飛んで回避、ターンブースターで急旋回、後ろからのマシンガンとロケットでの集中射撃―ほぼ全弾の命中―普通なら軽量機体=装甲が薄い
なのでこれで終わりのはずだった・・・が地面に頭からつっこんだだけ

舌打ちしながらザック

「なんて装甲してやがんだよっ」

(これも新製品の力か・・・)

とどめを刺す暇もなく、次が来た。
四脚、Wマシ、チェインガンの「殺」が射程内へ―ジャンプ―空中からの実弾の雨・・・数発当たるが、ジャンプという動作が無駄だった。こちらもまっすぐ行ってサイトから抜ける。と同時に上を向きマシンガンのいっせいしゃを返す、さらに、またもターンブーストで急旋回、追撃をかける・・・

(追いついたー!)ザックが叫ぶ

「墜ちろーーーーー!!!」

「殺」もようやくこちらを向いたところだった―月光の一閃―ほぼゼロ距離からの月光の一撃はさすがにきつかったようだ、剣身が胴体の半分くらいまで刺さっている。ザックは後ろに飛んだ・・・直後

ドォォォォーン

爆発四散・・・もはや鉄くずと化した。体勢を立て直しつつ叫ぶ

「一機撃墜ーー!!後は瞬だーーー!!」

もとから五機を相手に勝てるとは思わなかった。この展開を予想し、足の速いAIだけを ちゃっちゃっとかたづけて逃げる予定だった。が・・・

「ん!?ロックオン!?」

気づけば「爆」の接近を許していた・・・

「まずいっ!」

グレネードがとんでくる、はやめに気づいたので反応できた―横に飛ぶ―
直撃は免れたものの爆風で体勢を崩す。そこにタイミング良く(悪く)瞬が爆煙を裂くよ うにして飛び込んできた。

(かわせないっ!!)

ブースターをふかし「瞬」に体当たり―ブレードを振り切る前に懐に飛び込んだので無傷 で攻撃を防ぐことができた・・・もう反応できたと言うより、体が勝手に動いていた 動くことができずに倒れそうになった時

(はっ!!)

ロックオンの表示―とっさに「瞬」を蹴り後ろに飛ぶ

ドゴーーーン!!

目の前で「瞬」にグレネードが直撃する。先のザックの攻撃で被弾していたのも相まって そのまま爆発、炎上した。

「よしっ!!」

だいぶボロボロになったが、ここまでは当初の計画どおりだった  が・・・

「上っ!?」

気づくのが遅すぎた・・・とっさに回避するも左肩に直撃・・・やはりだいぶ被弾してい たようだ簡単に爆発―ブレードを失った

「おしかったねーレジーナ、でもあいつを殺るのは僕だからねー!」

「捕獲だぞわかっているなバンプ」

「ヘイヘイ」

体勢を立て直し言葉を失った・・・

「くっ!!」

(時間をかけすぎたっ!!!)


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