時代は未来、もはや人型汎用ACは過去の遺産――――
現在は、多種多様機能のをもつACが普及していた。
その機能とは、可変型ACというものだった――――

「ん〜〜・・・・今日の天気は快調〜!」

そういいながら、出窓から空に向かって声に出していっていた。

「今日はそういえば、アリーナの対戦だったな。さて、ヴァウンドの調整でも行くか・・・」

ヴァウンドを操縦するレイヴン「ルティス」である。
彼のACは、最近普及し始めた脚部可変型ACである。
その性能は、過去にあったACよりはるかに優れているものであった。
キャノンを積んでいるACが2脚からタンクタイプへと変形することにより、キャノンを使える幅が広がった。
また逆間接からフロートまたはタンクへ、4脚からフロート、 タンクタイプへと可変する脚部もショップに追加されていた。
その色々なタイプの中で一番オードソックスらしい通常2脚からタンクタイプへと可変できる脚部を選んだ。
武装は、グレネードキャノン、ミサイル、ENライフルと ごくごく普通の武装だがタンクタイプへと変形する特徴を使った戦闘はすさまじいものだった。
現在アリーナトップランクファイブの地位を築いているが、 ルティスは頂点にたつべく1位を超えるためにひたすら、戦って戦い抜き己を磨き上げて現在の己がいた。

「ルティス、相手は鋼機動型のAC。最新型よ」

会場に着き、相手と対峙する。

「私に挑戦するレイヴンがいるとはな・・・」

「俺は、頂点を目指すレイヴンだ。まだだ、まだ俺には力が足りない」

「トップファイブに入れば、手に入らぬものは無いだろう?」

「返事は、勝負のあとだ!」

そう言い、OBを発動させ同時に脚部が折れ曲がりタンクへと可変する。
キャノンを構えた状態でのOB突撃の姿勢はタンクのものならではの攻撃態勢だった。
その攻撃態勢での突撃を見たナンバーフォー、 レイヴン「シャドウアイ」は鋼機動型の特殊能力のダッシュオーバータックという 他のACで見ることの出来ない特殊な高速移動形態になった。

「いくぞ、我AC『グランドリーゼ』!」

「な、何!?」

ナンバーフォーレイヴンの実力は今までと違っていた。
目にもとまらぬ高速で突撃し、他のACでは不可能に近い防御力を武器としヴァウンドと衝突する。
その衝撃は、中にいたルティスの脳が揺さぶられ目の視点がぶれる。

「く、くそ!」

「所詮、お前はこの程度の能力しかないレイヴンなんだ!」

グランドリーゼが、ダッシュオーバータックから通常形態に変形し構えの無い、 パイルガンが連続でヴァウンドのいたるところにヒットする。
辛うじて、タンクモードであったためグレネードランチャーを放ちグランドリーゼに直撃する。
だが、ダメージを追った様子は無かった。

「なぜだ!?」

「我ACは、鋼鉄のACだ!そうそう、やられはしない!」

再び、変形し突撃をする。それと同時に、バックユニットにつんでいるビットが放たれる。
そのビットは特殊で20発以上のビットが飛び発射される攻撃はビームショットガンタイプのものであった。

「くっ!」

ヴァウンドはOBを発動し、緊急離脱するために離れた。
そのまま、グランドリーゼはその後を追う。
だが、その戦闘中にありえない兵器が向かっていたことに気付かず戦闘は続く。
その、兵器にはじめに気付いたのはアリーナ戦闘領域を監視しているレイヴンたちだった。

「ん?なんだ?この異常な速さで来る物体反応は?」

「多分どっかの、反抗組織の高起動ミサイルだろうな」

「一応、戦闘の邪魔にならないように片付けてくる」

OBを発動し、脚部は逆関節からフロートタイプへと可変し移動した。
だがその未確認物体が、過去の資料に載っていた・・・ もうこの時代に存在するのは機能停止している頭部が保管庫以外にあるはずも無かった。
だが、機能停止していると思われていた頭部から下の部分はいまだに不明の兵器だった。
その兵器はどのように動きそしてどのような戦闘能力があるのか・・・・ そいつは、再び人間に恐怖と言うものを与えにきたのだった。

「な、なんだ?貴様は!ここは現在アリーナの戦闘で使っていると言うことは知っているだろう! 戦闘に支障のある行為をした場合は、どんな罰を受けるのかしって・・・・!」

「排除終了・・・」

一瞬だった・・・
黒い大型ACが飛び、下の土台らしき飛行物体が同時に変形し人型になりブレードを構え、 黒いACがレイヴンのACをEN兵器で長時間とめる。
それと同時にブレードを構えていた可変型ACが、縦に切り落とす。
そのチームワークは風が流れたように乱れなく、 再び変形しその上に黒いACは乗りアリーナの戦闘領域へと向かっていった。

「おい、どうした!応答せよ!オペレーター、緊急事態だ。 先ほど物体反応のあった方角へ調査に向かったレイヴンとの交信が途絶えた! その反応はいまだこっちに向かってきている!繰り返す!こちらに・・・!」

ブツッ!
もうレイヴンの声は聞こえなかった。何が起きたのかさえわからずに・・・

「緊急事態ですレイヴン、そちらに未確認反応が向かっています。 直ちに戦闘を中止し、応戦する体制に直してください」

「何いってるんだ!勝負はまだ!」

「何よそ見している!」

グランドリーゼが接近してきたとき、その横からEN兵器のレーザーの嵐が降る。

「ぐ、ぐぁぁ!」

鋼機動型AC通常ACよりも防御力が高いため、その嵐から抜け出し体制を立て直し攻撃の方角を見る。

「どこのやつらだ!私がアリーナナンバーフォーと知って攻撃を仕掛けてきたのか!?」

目の前に現れたのは、大型の黒いACだった。

「排除開始」

そういうと、ブレードを突き刺してきた。その突き刺す瞬間パイルガンを使い攻撃を防ごうとする。

「甘い!この青二才がぁ!」

しかし、その言葉と裏腹にブレードはそのままコアに突き刺す勢いで勢いはとまらない。
パイルガンはブレードとの衝突の反動に耐え切れなく、 壊れそのまま赤いブレードはグランドリーゼのコアに突き刺さり、シャドウアイの声は聞こえなくなった。

「な!?」

ヴァウンドはすぐに攻撃態勢に入った。
黒いACは向き直り、攻撃を仕掛けようとしたときだった。
自分の横から、ブレードの独特の音が聞こえ緊急後退をした。
その行動は正解で、ブレードを回避することに成功する。

「2機いたのか!分が悪いな・・・」

2機の大型ACはヴァウンドに向きこう言う。

「何のために、生命を消す・・・・」

対峙する2機と1機のAC・・・・ そこに背後からブレードで切られる黒い大型AC。その一撃は機能を停止させる威力だった。

「な、なんだ!?」

「残りは、1機か・・・MTが!!」

煙から現れたのは、ステルス搭載型のACだった。
武装は、見たことも無いデザインをしたブレードひとつと大きな銃だった。

「MTなのはそっちだろう?」

「違うな・・・変形するACもいるが、そいつは貴様らのような低性能ではない。 そう、私が今まで見たどのACよりも・・・だ。 そして、自己判断し状況に応じ排除するものを瞬時に決めるのだ。 最後に、ACと最も違う部分がある・・・それは、無人ということ!!」

銃口が白く光る。光った瞬間もう1機のACは粉々に消えていた。

「な、な・・・・」

ルティスは、その光景を唖然と見ているだけだった。

「ACは人間という生命が動かすもの。 変形したACのスピードに人間が着いて行く事の出来ない。 それは、あいつに一番思い知らされている・・・」

「・・・・・レ、レイヴン・・・・?」

「ん?誰だ?私の邪魔をするのならばオペレーターだろうと排除する」

「レイヴン!あの時のレイヴンなのね!?」

「お前は、私を知っているのか?」

「結果的にそいつは敵なのか?味方なのか?」

ルティスは、何のことだかさっぱり分からなかったが自分だけのけ者にされ少し不満だった。





AC ニニセタ MT カ―――・・・ ダガ、ヤハリ アノ ニンゲンヲ エラビ セイカイダッタ・・・ ツギノ ニンゲン サガス―――

赤く白い翼をもったACが言った・・・そして 舞い上がり、見えなくなるまでひたすら昇って行った―――


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